与沢翼氏の会社は、なぜ最終的に上手くいかず潰れてしまったのですか?
与沢翼氏の会社は、なぜ最終的に上手くいかず潰れてしまったのですか?また、どうすれば会社を潰さずに儲け続けることが出来たと思いますか? |
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一つは単純に組織のマネジメントが出来ていなかったこと。もう一つは、原則として分業や組織化で稼ぐことのできないネットビジネスを分業化、組織化して稼ごうとしてしまった点。大きくこの2点が考えられます。参考にしてみて下さい。 |
会社を難しい状況にしてしまった2つの理由。
「与沢翼氏の会社は、なぜ最終的に上手くいかなくなってしまったのですか?」とのことですが、
一つは単純に組織のマネジメントが出来ていなかったこと。組織にルールが無かった点。もう一つは、原則として分業や組織化で稼ぐことのできないネットビジネスを分業化、組織化して稼ごうとしてしまった点。
大きくこの2点が考えられます。
まず一つ目の「単純に組織のマネジメントが出来ていなかった」という点について。
彼自身がマネジメントに向いていなかったというのもありますが、それ以前に、やはり組織内にルールが無かった点は大きな問題でした。
・社内法規が何もない。統制が取れていない状態であったこと。 ・自分が夜の店で遊んでいるうちに、社員は会社の媒体を勝手に使って、自分個人のアフィリエイトリンクをつぶやいていた。 |
こういった状態で、会社を維持するというのは、なかなか難しい話です。これが会社を難しい状況にしてしまった理由の一つです。
本来できないものを分業化、組織化してしまった。
また、二つ目の「原則として分業や組織化で稼ぐことのできないネットビジネスを分業化、組織化して稼ごうとしてしまった点」について。
別のよくあるご質問でも紹介しましたが、結局、インターネットは文章の世界。動画や音声であっても、そこにはシナリオがあります。全ては文章がベースにある。これが大前提です。
そのインターネット上で行うネットビジネスも、やはり文章が支配している世界。
やや乱暴な言い方をしてしまえば、文章が支配する以上、ネットビジネスも文学も本質的なところは同じ。原則として、こうした一人のセンスに大きく依存するビジネスというものは、分業や組織化が難しいものです。
別のよくあるご質問で、ネットの本質というのは集合知(多くの人の知識が蓄積したもの)ではなく、集合愚(多くの人による情報が集まることで誤った価値創出や運用がされてしまう事)である、と紹介しましたが、
まさにネットビジネスはこの典型。いたずらに人材を雇用しても集合愚になっていく。人が増えれば増えるほど、そのクオリティというのは下がっていきます。
こうすればワンピースの質は間違いなく下がる。
例えば、ワンピースの尾田栄一郎は
・ストーリーは自分で考える。 ・実際のコンテンツも動きのある部分は自分自身が描くなど極力分業化しない。 ・背景やそれ以外の部分のみアシスタントに描いてもらう。 |
こうしたやり方で、漫画のクオリティを落とすことなく連載を続けています。
一方で、尾田栄一郎が
・自分自身に依存するやり方をやめて、組織化や完全な分業化を目指す。 ・アシスタントや社員を大量に雇って権限移譲しながら漫画を描く。 ・今後の展開やあらすじもアシスタントや社員任せて自由に漫画を描かせる。 ・今週はAという社員。来週はBという社員。再来週はCという社員に任せる。 |
こういった具合に漫画を描いていってしまえば、ワンピースのクオリティは間違いなく下がります。漫画は読めるレベルではなくなっていく。もちろん読者もついてこなくなるでしょう。
ネットビジネスも本質的に文学と何ら変わらない。
これは、文章が支配する世界であるネットビジネスでも同様のことが言えます。
ネットビジネスと言っても、本質的には調和されて作られている芸術作品や文学と何ら変わらないもの。また、思想統制が必要になるなど、その人のセンスにかなり依存するため、簡単にコピペができる分野ではありません。
三島由紀夫や芥川龍之介は、まさか本を書く時にアシスタントに一つの章を仕上げることを任せたりしません。また、村上春樹が小説を書く時に、ゴーストライターを使おうとは、まず思いません。
一方で、ネットビジネスの場合は、
・その本質を分からないまま、いたずらにビジネスを拡大させようとしてしまう。 ・分業化や組織化できないものを、無理に分業化、組織化しようとしてしまう。 ・そのため、知らぬ間にコンテンツのクオリティが落ちていく。 ・結果として提供できる価値も、受け取れる対価もどんどん落ちていってしまう。 |
こういったケースに陥りがちです。もちろん、こうしたネットビジネスの作り込みをしていれば、ああいった状況を招いて然るべきです。
一人で篭って1日中メルマガを書き続けていれば。
また、「どうすれば会社を潰さずに儲け続けることが出来たと思いますか?」とのことですが、この答えは非常にシンプルです。
・組織化を目指さないこと。 ・なるべく人を増やさずにビジネスをまわすこと。 |
こうしたことに注意するだけで、あのビジネスは儲けを出し続けることができたはずです。
ビジネスの中身うんぬんをここで議論するつもりはありませんが、実際、あれだけ人を雇って、あれだけのオフィスを構えなくても
・コンラッドなどに一人で篭って1日中メルマガを書き続ける。 ・1年に1回程度だけ、塾やコンサルの募集をする。 |
これだけで20〜30億円は、十分に稼げたはずです(実際、シンガポールに移住した後は、これに近い形で再び稼ぐ金額を増やしています)。
組織化が目的になってしまえば、まず稼げません。
ネットビジネス全般に言えることですが、基本的には人が増えれば増えるほど収入が下がるもの。この事実を正しくご理解下さい。
極論を言ってしまえば、ネットビジネスをやっている人、特に情報発信で収益を上げている人は、一人でビジネスを回し続けたほうが儲かるものです。
一人で前に出て、一人でセミナーをする。一人だけでメルマガを運用する。もし、この分野で稼ぎたいと思うのであれば、間違いなくこのやり方のほうが圧倒的に儲かります。
仮に人を雇う場合でも。
・いたずらに人数を増やそうと思わないこと。 ・自分ができていない部分を補完する形で最低限の人材を雇うこと。 ・あるいは雇用する場合も、自分よりレベルが高い人を雇うこと。 |
こういった雇用の仕方であれば構いません。
しかし、組織化が目的になってしまえばネットビジネスという分野では、まず稼げません。
参考にしてみて下さい。
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